2007-06-27

ロングテール: the long tail


ロングテールとは、上の図のように長く伸びた恐竜の尾のようなもの。例えば、アマゾンで売れた本は、ベストセラーといわれる数百の本が、恐竜の頭の部分のようにたくさん売れるが、一方だいぶ昔に出た数十万種類の本も数冊ずつ恐竜の尾のような分布で売れ続けることをいうようです。

米国のWiredという雑誌の編集責任者である、Chris Andersonという人は、そうした新しい経済現象の事例を集めてBlogで情報発信しています。(The Long Tailという本も出していて、2006年のBest Business Bookに選ばれています)

街の本屋さんは本棚のスペースの制約から、店に並べられる本の数は限られています。そこで、よくいわれるように、80:20ルールで、20%を占めるベストセラー本が売上総数の80%を占めるといった現象が起きるといわれています。いかにベストセラー本を店に並べるかが勝負となるわけです。

ところが、アマゾンは新本、中古本を合わせてほとんど無数の品揃えで、お客の望む本がほとんど手に入るしくみをつくりました。さらに、この本を読んだ人は、この別の本も読んでいますと、過去のお客の購買実績をもとに新しい本を推薦します。それを見て、ならばと購入するお客がでてきます。そのため、ずっと昔に出版され、今は街の本屋の棚には並んでいないような本も売れるという現象がおきています。

ロングテールの部分の売上がばかにならない量になりますよ、という事例。

同じことが、TSUTAYAのレンタルビデオでも起きていることが容易に類推できます。レンタルビデオ屋さんには、ドキュメンタリーのビデオはほとんどありません。ですが、米国では今、アマゾンのレンタルビデオ版の店では、ドキュメンタリーを見るお客でにぎわっているといいます。

映画館でも同じことが起きています。映画館で上映される映画は、数が限られています。見たい映画も時期をのがすとすぐに映画館では見れなくなります。テレビ番組も同じです。毎週放送できる番組は、1日24時間しか放送できないという絶対的な制約の中、数が限られています。

これまでの経済原則は、いわば制約のある資源(放送時間、本棚スペースなど希少価値を持つもの)をいかに最大限無駄なく有効活用して、最大の売上、視聴率を稼ぐかとという原則にもとづいていました。ところが、インターネットの普及に伴い、放送局の数もほとんど無数に作れるし、本棚・ビデオ棚のスペースも気にすることなく品揃えが可能となりました。つまりほとんど無制限に豊富な資源が活用できる環境下、どうお客に便益を提供するかという新しい経済原則がなりたつようになったわけです。


読売ジャイアンツの野球中継の視聴率が落ちています。10%を切るようになって、読売ジャイアンツの野球がTV中継されない日もでてきました。なんでジャイアンツの野球中継がないの!!!!、と見たいのに見れない悔しさを味わっているのはわたしだけでしょうか? ジャイアンツの野球中継が好きな時間帯に1回表から見れるようになるのも、時間の問題といえそうです。

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