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2026-06-06

今日の絵:ボストンうた紀行Storyboard

 最近のAIの進化発展は、まさに目を見張るものがあります。

わたしは主にChatGPTを使っていますが、使うたびに「もうここまでできるのか」と驚かされます。

• たとえば、録音データを文字起こしして議事録を作成することは、いまではかなり当たり前になってきました。

以前なら手間も時間もかかった作業が、いまでは短時間で、しかもかなり自然な形でまとめられます。

• けれども、最近とくに驚いているのは、絵を生成する機能の進化です。

しかも単にきれいな絵を描くだけではなく、こちらが書いた文章や意図を読み取り、それを構造化し、ひとつの「見える形」にしてくれるところがすごいと思います。

先日、わたしはこのチャットの中で、これまで書いてきた「ボストンうた紀行」をもとに「手描き風のストーリーボード画像そのものにしてほしい」とお願いしてみました。

「ボストンうた紀行」は、わたしが家族とともにボストン近郊で暮らした日々の記憶をたどりながら、レキシントン、ケンブリッジ、アーリントンといった街々での生活を、歌や文章として残してきたものです。

旅の記録というよりは、異国での暮らしの中で出会った風景、家族の時間、そしてそれらがのちに歌になっていくまでの過程を記したものといえます。

そのブログ記事をもとにして、ChatGPTが描き出したのが、以下のストーリーボードです。

今回、AIを使って「ボストンうた紀行」をストーリーボード化してみて、あらためて感じたのは、AIが単なる便利な道具にとどまらず、思考や記憶を整理し、新しい形で表現する助けにもなるということでした。

• 文章だけで書いていたときには、自分の中でつながっていたはずの記憶が、絵になることでさらに立体的に見えてきます。

• AIの進化は、仕事を効率化するだけではなく、自分の経験や記憶を見つめ直す手助けにもなりうる。

そんなことを、今回あらためて実感しました。




2026-05-18

ボストンうた紀行 レキシントン

横浜を離れ、私たちは今度は海を渡った。

白楽から京浜富岡へ移ったときも、新しい生活へ踏み出す思いだったが、ボストン行きはそれとはまた違っていた。自費での引っ越しだった。家族を連れての渡米である。当時は一ドル二百四十円ほどの時代。荷物もできるだけ減らし、三度目の新生活を始めようとしていた。

まだ海外旅行が今ほど身近ではなかった頃だ。ボストンへの直行便はなく、ニューヨーク経由で向かった。成田から長い時間をかけてJFK空港へ着き、さらにボストン行きのシャトル便を待つ。三時間ほどの待ち時間だったと思うが、退屈することはなかった。

空港にいるだけで、すべてが目新しかったのである。

聞こえてくる英語、巨大な案内表示、人々の歩く速さ、コーヒーの匂い、見たこともない広さの空港。疲れているはずなのに、眼だけは冴えていた。

ようやく小さなシャトル機がボストン・ローガン空港へ着陸した頃には、成田を発ってから二十時間近くが過ぎていた。

空港からは、郊外のレキシントンに予約していたモーテルへ向かった。だが、どのくらい離れているのかもよく分からない。まだGoogle Mapなどない時代である。頼りは紙の地図だけだった。

空港で捕まえたタクシーに乗り込むと、途中から相乗り客が入ってきた。運転手は、その客をまずボストン北部の街まで送り届け、それからレキシントンへ向かうと言う。

結果として、それはボストン近郊をぐるりと巡る小さな旅になった。

車は三車線のハイウェイを疾走し、車窓から古いレンガの家、深い森、大きな湖が見えた。相乗りの客は気さくな人で、「レキシントンは独立戦争の古戦場だ」とか、「冬になると雪が深い」とか、ボストンの歴史を話してくれた。

そして別れ際、「困ったことがあったら電話しなさい」と、自宅の電話番号を書いた紙を渡してくれた。

いま思えば、あれはまだ、古き良きアメリカが残っていた時代だったのかもしれない。知らない土地へ着いたばかりの私たちは、その親切にどれほど救われたことだろう。














JFK巨大案内板見上げつつ疲れし眼のみ冴えてゐたり

成田発つ二十時間の旅果ててボストンの夜の風に立ちたり

紙地図を膝に広げてタクシーの行先告ぐる声まだ硬し

三車線ハイウェイ夜を走りゆく湖黒く森深かりき

「困ったら電話しなさい」紙片受く知らぬ国にも灯のあるごと

古きよきアメリカありし時代なり紙片の文字のいまも温かし

白楽の坂を離れて海渡り三度目の暮らし始まる

一ドルが二百四十円の時代夢にも重さありしと思ふ

モーテルの鍵受け取りし夕闇に時差の深さが脚に残れり