2026-06-06

今日の絵:ボストンうた紀行Storyboard

 最近のAIの進化発展は、まさに目を見張るものがあります。

わたしは主にChatGPTを使っていますが、使うたびに「もうここまでできるのか」と驚かされます。

たとえば、録音データを文字起こしして議事録を作成することは、いまではかなり当たり前になってきました。

以前なら手間も時間もかかった作業が、いまでは短時間で、しかもかなり自然な形でまとめられます。

けれども、最近とくに驚いているのは、絵を生成する機能の進化です。

しかも単にきれいな絵を描くだけではなく、こちらが書いた文章や意図を読み取り、それを構造化し、ひとつの「見える形」にしてくれるところがすごいと思います。

先日、わたしはこのチャットの中で、これまで書いてきた「ボストンうた紀行」をもとに「手描き風のストーリーボード画像そのものにしてほしい」とお願いしてみました。

「ボストンうた紀行」は、わたしが家族とともにボストン近郊で暮らした日々の記憶をたどりながら、レキシントン、ケンブリッジ、アーリントンといった街々での生活を、歌や文章として残してきたものです。

旅の記録というよりは、異国での暮らしの中で出会った風景、家族の時間、そしてそれらがのちに歌になっていくまでの過程を記したものといえます。

そのブログ記事をもとにして、ChatGPTが描き出したのが、以下のストーリーボードです。

今回、AIを使って「ボストンうた紀行」をストーリーボード化してみて、あらためて感じたのは、AIが単なる便利な道具にとどまらず、思考や記憶を整理し、新しい形で表現する助けにもなるということでした。

文章だけで書いていたときには、自分の中でつながっていたはずの記憶が、絵になることでさらに立体的に見えてきます。

AIの進化は、仕事を効率化するだけではなく、自分の経験や記憶を見つめ直す手助けにもなりうる。

そんなことを、今回あらためて実感しました。




2026-06-05

今日の絵:Storyboard

今日の絵は、Graphic Recorderである清水淳子さんに描いていただいた一枚です。

十年以上前、会社の研修会に清水さんに参加していただき、わたしたちメンバーと一緒に、議論の内容を絵と言葉で可視化していただきました。

そのときに描かれたのが、この「Crafting Your Story」のグラフィックレコーディングです。

清水さんは、Yahoo! JAPANで働かれる中で、Graphic Recordingという手法を使い、複雑な議論や思考をわかりやすく可視化する活動をされていました。


特に印象的だったのは、データサイエンティストが見ている世界、つまり数字や分析によって見えてくる世界を、単なる説明ではなく「人に伝わるストーリー」として表現する方法を教えてくださったことです。

清水さんの著書に、

Graphic Recorder ― 議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

があります。

当時この本を拝読し、議論を絵で記録するだけでなく、そこに流れている意味や感情まで可視化できることに、大変刺激を受けました。


今日の絵のテーマは、

「人に伝わる話は、どのような流れを持っているのか」

ということでした。


題材になったのは、トム・ハンクス主演の映画『プライベート・ライアン』です。

なぜ観客はこの映画に感動するのか。

そのストーリー展開は、どのような構造になっているのか。

それを、グラフィックレコーディングの手法を使って描き表したものです。

絵の中には、物語を構成する要素がいくつも描かれています。

登場人物

事件

感情

決意

困難や試練

圧倒的な障害

ライバルの存在

非日常

守るべき大事なもの

変化と学び

感動する物語では、主人公がただ順調に進んでいくわけではありません。むしろ、主人公は困難や試練にぶつかります。ときには圧倒的な障害に立ち向かわなければなりません。その中で、主人公は何かを選び、何かを失い、何かを守ろうとします。そして物語の終わりには、主人公自身も、見ている私たちも、最初とは少し違う場所に立っています。


だからこそ、そこに「感動」が生まれるのだと思います。

この研修で面白かったのは、映画のストーリー構造を学ぶことが、仕事の伝え方にもつながっていたことです。


データ分析の結果を、ただ数字で示すだけでは、人にはなかなか伝わりません。しかし、そこに次のような流れが生まれると、分析は「報告」から「物語」になります。

何が起きているのか

なぜそれが問題なのか

誰にとって大事なのか

どんな困難があるのか

何を変えればよいのか



この手法を学んだあと、わたし自身もストーリーボードを描いてみました。

こちらは、楠木建・一橋大学教授の講演を聞きながら描いたものです。テーマは「すぐれた戦略の条件」。

楠木先生は、すぐれた戦略は単なる箇条書きの計画ではなく、「ストーリー」として構築されるものだと語られていました。


わたしが描いたストーリーボードの中には、次のような言葉が残っています。

違いをつくる

つなげる

商売の素をつくる

商売の肝をつくる

本当は何を売っているのか

ストーリーとしての競争戦略


戦略とは、立派な言葉を並べることではありません。

「なぜ、それがうまくいくのか」

「どこに独自性があるのか」

「一つひとつの打ち手が、どのようにつながっているのか」


それを語れることが、すぐれた戦略の条件なのだと感じました。





2026-06-04

今日の絵:黒船来航

2015年から2016年頃のことです。

日本からでもMIT(マサチューセッツ工科大学)のオンライン講義を受講できる環境が整い始め、私はedXで「Black Ships & Samurai」というコースを受講しました。

当時の私にとって、MITの授業を横浜の自宅にいながら受けられること自体が驚きでした。しかも受講料は無料です。

コースの内容

この講義は、MITの歴史学者ジョン・ダワー教授(John W. Dower)と宮川繁教授(Shigeru Miyagawa)が中心となって進めていた「Visualizing Cultures(文化を視覚化する)」プロジェクトの一部でした。 

テーマは1853年のペリー来航です。

ただし単なる日本史の講義ではありません。

このコースの特徴は、

アメリカ人はペリー来航をどう見たのか

日本人は黒船をどう見たのか

浮世絵や絵巻、版画、挿絵などの視覚資料に何が描かれているのか

そこから当時の人々の価値観をどう読み解くのか

を学ぶ点にありました。 


私はそれまで歴史を文章で学ぶものだと思っていましたが、この講義では「絵を読むことによって歴史を理解する」という新しい視点を知りました。

たとえばアメリカ側の絵では黒船艦隊が雄大で勇壮に描かれています。一方、日本側の浮世絵では煙を吐く巨大な怪物のような船として描かれることもありました。 

同じ出来事でも、見る側によって全く違う世界が現れるのです。

当時感じたこと

講義そのものも素晴らしかったのですが、私がより強く印象に残ったのは別のことでした。

「これは世界を変えるのではないか」

という感覚です。


インターネットと最低限のパソコン環境さえあれば、

日本でも

インドでも

中国でも

アフリカでも

同じMITの講義を受けられるのです。

人口の多い国々の意欲ある若者が、地理的・経済的な制約を超えて学べるようになれば、その国の競争力を大きく変えるだろうと思いました。


そして十年後の今、その流れはさらに加速しています。

AIによる自動翻訳によって英語の壁は低くなり、字幕や教材も各国語で読めるようになりました。

当時私が感じた未来は、想像以上の速度で現実になりつつあるように思います。これぞ、黒船か。

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今でも受講できます

edX版は終了していますが、MITの「Visualizing Cultures」サイトは現在も公開されており、当時の教材を読むことができます。 

Black Ships & Samurai

MIT Visualizing Cultures: Black Ships & Samurai

ペリー来航と開国を、日本側とアメリカ側双方の視点から学ぶことができます。1853年7月8日、黒煙を上げる外国軍艦が日本に現れた場面から講義は始まります。 


当時描いた黒船のスケッチ

講義を受けながら、息抜きにパソコンツールでペリー来航の黒船を描いてみました。

絵の技術は今も昔も大差ありませんが、オンライン教育の新しい時代が始まる予感に胸を躍らせながら描いた一枚です。

どうぞご覧ください。 




2026-06-03

今日の絵:コーモセット州立公園

ロングアイランドに住んでいた三年間、子どもをストローラーに乗せてよくコーモセット州立公園を歩きました。

この公園はもともと百貨店王マーシャル・フィールド三世の広大な私有地でしたが、一九六一年にニューヨーク州が買い取り州立公園となったとのこと。東京ドーム百四十個分を超える広さを持ち、いまでは年間百万人近い人々が訪れるそうです。

しかし私の記憶に残っているのは、海へ続く道の途中に立つ一本の大きな樫の木です。




ストローラー押しゆきし道の冬木立

あの樫の木はいまも空指す 



以前にこのブログでも、わたしのもう一度行ってみたい場所として記事を書きました。懐かしい場所の一つです。もう一度行けたらなあと思い出しています。

ブログ記事はこちら


2026-06-01

今日の絵:安野光雅の世界

10年ぐらい前から、パソコンで絵を描くことに挑戦しています。

このブログでも以前ご紹介したかもしれませんが、最近では絵を描くためのパソコンソフトやタブレットもだいぶ進化しました。

今は、ソフトはAffinityを使っています。当初、有料版を購入して使い始めたのですが、最近Affinityの会社(Serif社)がCanva社に買収されて、ビジネスモデルを変え無料でソフト提供をはじめました。

無償版といっても、有償版と全く同じ機能を持ち、それどろか有償版当時は、3つのソフトにわかれていた機能を1つに統合して使いやすくもなっています。

ツールの話はさておいて、安野光雅さんの話。子どもの絵本としていただいたり、買い足したりで、いつのまにか10冊ほど手元にあります。

絵の勉強のため、安野さんの絵を模写したりして練習しました。今日は、安野さんが海外へでかけて写生しているところと、旅の絵本からの1枚、わたしのスケッチ(パソコンで描いた)をご覧いただきます。


















以前、このブログに書いたとばかり思っていましたが、間違いでした。知人へ送った手紙に書いていたことを思い出しました。以下、その時書いたメッセージを再録させていただきます。

----------------------------再録メッセージ(2021年1月当時の)ーーーーーーーーーーーーー

今年に入って、安野光雅が年末に世を去ったという悲しい知らせが届きました。94歳とのこと。

家族にとって『旅の絵本』は、子どもの成長とともにページを何度も何度もめくってきた大切な本。訃報を聞いて、書棚から旅の絵本シリーズをどっさり取り出して改めてみんなで眺めました。描かれている不思議な世界は、今見直しても新しい発見があります。

ことにアメリカの旅では、家族がよく知っている風景がたくさん出てきます。ニューヨークのセントラルパークの木々には、セントラルパーク・ズーの動物たちが葉っぱの中にたくさん描かれていました。ハワイとアラスカが一枚の絵の中に登場したり、旅の絵本の中は、きっと安野さんが旅した時の思い出が、時間と空間を超えて一つのイメージとして物語になっているに違いありません。

ロンドンにあるJAPAN HOUSEという日本文化を紹介する施設では、ANNO's Journeyというオンライン常設展示が安野光雅の世界を丁寧に紹介していることを、この度はじめて知りました。世界の人びとにとっても、ANNO's Journeyは別の角度から観た自分の国を教えてくれる貴重な窓になっているのかもしれません。

家の本棚から取り出した旅の絵本シリーズは、祖母が孫に買ってくれた大切な絵本ですが、観てみるとスペイン編には、安野光雅の署名がありました。何でも、横浜で展覧会が開催された折り、祖母が行列して署名をもらってきてくれたことがわかりました。不思議な絵本の世界を贈ってくれた今は亡き人たちに感謝します。

わたしも安野光雅の絵本に魅了されて、ここ数日描く絵はすっかり安野先生風になっています。Boston Faneuil Hallも安野さんが描くとこんな感じではと、勝手に思っています。













2026-05-31

第三十九歌集 三まはり目

先日、家族で誕生日を祝ったときのこと。

わたしは得意の料理に腕を振るおうと意気込んで、何にするときいたら、ケンタッキーと即座に応えあり。こんな感じで、思いをぶつけあえる家族って、いいねと感じた次第です。

記念日の卓を歌集にしてみました。










三まはり目の誕生日祝ふことばはとにかく幸せと当たり前の日々

誕生日一つずつ歳重ね祝ふ日に我が仔の干支の一回り前を見る

よく生きたいと親にみせたい日々送り自分がどんどん見えなくなる

好きな曲を鍵盤にぶっつけてふとわれを取り戻すこれでいいかも

わが庭に双葉萌え出る初夏の風わが仔と祝ふ記念日の卓

何食べる祝いの皿を問へばまたケンタッキーといふ笑みこぼれたり

朝顔の種を託さむとしてあれこれと語れば「世話はできないよ」と目を伏せ

祝い歌唄ふ声して友来たりプレゼント手にあゝ佳き日なり


2026-05-27

第三十八歌集 双葉にょきにょき

長年の友からの便りに、朝顔の種が同封されていた。

なんだろうと思ってみると、育て方を書いたメモも同封されていた。種まきの前の晩の世話から、植え方、育て方まで、まるでNHK趣味の園芸のテキスト。うれしかった。

そういえば治療がはじまってから、家の庭にでることもなかった。窓越しに庭の木をみる、葉が茂りだす、春だなあと感じることはあっても、ついぞ庭に出ることもなかった。

それが朝顔の種をまいたその日から、毎朝の水やりが楽しみになった。心遣いに感謝。










朝顔の鉢もて帰る夏休み蔓の影われを越えたり

われに寄り添ふ友より届く朝顔の種封書に入れて育て方添ふ

朝顔の種蒔きて毎朝のぞきゐしプランターより双葉にょきにょき

朝顔の種夜半に含みし甘水に揚力得たり双葉ひらきぬ

蔓巻く支柱を買はむどこまでとはかりかねつつ背丈ほど選ぶ

朝顔の花開くころ家族して色を語らふ日を思ひをり

朝顔のしぼみし花を掌に残る種はたれぞ植ゑなん